自由民主党所属の国会議員として長年活躍された、鳩山邦夫さん。
今回は、そんな邦夫さんを支えた『家族』の物語です。
生年月日：1948年〈昭和23年〉9月13日
没年月日：2016年〈平成28年〉6月21日
出身大学：東京大学法学部
出身地 ：東京都
◆実家「鳩山家」
鳩山邦夫議員の実家は、政治の名門「鳩山家」です。
祖父は、1954年～56年に内閣総理大臣を務めた、鳩山一郎（はとやま・いちろう）氏であり、さらに曽祖父は、かつて衆院議長を務めた鳩山和夫（はとやま・かずお）氏です。
一方、母方の祖父は、ブリヂストン創業者の石橋正二郎（いしばし・しょうじろう）さんであり、邦夫さんは政界だけでなく、経済界にも大きな地盤を持っていました。
祖母の名前は、鳩山薫（はとやま・かおる）さん。
貴族院議員を務めた寺田栄（てらだ・さかえ）氏の長女として生まれましたが、17歳の時、鳩山家の養女となります。
20歳で鳩山一郎氏と結婚し、夫の政治活動を支える傍ら、養母の跡を継いで共立女子大学の学長を長年勤めています。
◆父・鳩山威一郎
鳩山邦夫さんの父親の名前は、鳩山威一郎（はとやま・いいちろう）さん。
1941年に東京帝国大学を首席で卒業し、大蔵省に入省。
主計局畑を歩み、主計局長から大蔵事務次官に上り詰めました。
1974年、大蔵OBとして酒や塩などの関連業界団体の組織票を中心として参議院全国区に立候補し初当選。
当選１回ながら福田赳夫（ふくだ・たけお）内閣の外務大臣に抜擢されるなど、「大物官僚」出身の政治家として期待されます。
しかし、病気がちで政界では目立った活躍は出来ず、３期務めた1992年に政界を引退。
1993年12月、75歳で亡くなっています。
◆母・鳩山安子
鳩山邦夫さんの母親の名前は、鳩山安子（はとやま・やすこ）さん。
ブリヂストン創業者である石橋正二郎氏の長女として、福岡県久留米市に生まれ、中学入学を機に上京しました。
学習院女子高等科に在学中、鳩山威一郎氏と見合いをし、1942年に帝国ホテルで結婚。
政治家の妻として夫を支える傍ら、鳩山一郎氏が結成した「日本友愛協会」の理事長などを務めています。
母・安子さんは、石橋家の相続で103億円の一部、鳩山家の相続で152億円を受け継いだ資産家としても有名。
その他、年間配当だけで３億円を超えるブリヂストン株1200万株（170億円相当）を保有していました。
後年は、息子たちへ毎月1500万円ずつ提供した「子ども手当」が世間をにぎわせています。
2013年2月、多臓器不全のため、90歳で亡くなりました。
◆姉・井上和子
鳩山邦夫さんにはお姉さんがいて、名前は和子さん。
工学博士で、筑波大学名誉教授の井上多門（いのうえ・たもん）氏に嫁ぐ一方で、有為な人材の育成を目指す「鳩山友愛塾」の塾長を務めています。
◆兄・鳩山由紀夫
鳩山邦夫さんのお兄さんは、鳩山由紀夫さんです。
本 名：鳩山友紀夫（はとやま・ゆきお）
生年月日：1947年〈昭和22年〉2月11日
出身大学：東京大学工学部
出身地 ：東京都
1947年2月生まれなので、邦夫さんより２歳（２学年）年上になります。
兄・由紀夫氏は、弟と同じく学習院初等科・中等科を卒業。
高校は母親の方針により、兄は「東京都立小石川高等学校」、弟は「東京教育大学附属高等学校」へと進んでいます。
大学は、鳩山家の伝統に従って、兄弟そろって東大へ進学しましたが、由紀夫氏は、
これからはエンジニアリングの時代
として工学部を選択。
大学卒業後は、東工大の助手などを勤めましたが、1986年の衆院選に出馬します。
選挙スローガンは
政治を科学する
でしたが、見事に初当選。
弟・邦夫さんに遅れること10年での政界入りでしたが、豊富な資金や祖父以来の人脈に支えられ、1990年代の政界再編期に、中心的存在となっていきます。
1996年、菅直人（かん・なおと）氏や邦夫さんとともに「旧・民主党」を結党。
民主党は勢力を拡大し、2009年の衆院選で308議席を獲得し、代表の由紀夫さんは第93代の内閣総理大臣に就任しました。
首相就任後は、環境問題で「鳩山イニシアチブ」を提唱し脚光を浴びましたが、普天間基地移設をめぐる
最低でも県外
発言などで、米国の反感を買い、窮地に立たされます。
2010年6月、自ら内閣総理大臣を退任。
2012年には政界を引退し、自ら設立した「東アジア共同体研究所」を拠点として、活動しています。
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