韓国初の女性大統領である、朴槿恵(パク・クネ)大統領。
今回は、そんな朴大統領を育んだ『家族』にスポットを当てご紹介します。
◆父・パク・チョンヒ
朴槿恵大統領のお父さんの名前は、朴正煕(パク・チョンヒ)。
1917年11月14日に生まれ、大邱(テグ)師範学校を卒業後、学校の教師を務めていました。
やがて軍人を志すようになり、当時、日本の影響下にあった満州帝国の軍官学校に志願入隊します。
軍官学校を卒業後は、成績優秀者が選抜される日本の帝国陸軍士官学校への留学生となり、第57期生として、日本式の士官教育を受けました。
朝鮮戦争を終えた韓国内では、議会の混乱によって復興や工業化などが進まず、また軍内の腐敗も深刻化します。
朴正煕は、この状態に対して軍の将官・将校・士官らの改革派を率いてクーデターを決行し、軍事政権を成立させました。
そして、1963年から5期16年にわたり大統領を務め、権威主義体制による独裁政治を推し進めます。
親日家の朴正煕大統領は、佐藤栄作首相と日韓基本条約を批准して日韓両国の国交を正常化しました。
そして、日米両国の経済支援を得て、「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長を達成します。
一方で、統制的な軍事政権下では、民主化などの運動は徹底して弾圧され、人権上問題のある拷問や政治犯の投獄なども行われました。
1979年10月26日、大規模な民主化デモの鎮圧を命じた直後、側近であるKCIA情報長官により暗殺され、61歳で生涯を閉じています。
ところで、父・朴正煕大統領を調べると、「従軍慰安婦」というキーワードが出てきます。
軍隊時代に、慰安所へ行ったということでしょうか?
実は、事態はもっと深刻で、1960~80年にわたり、韓国政府が米軍慰安婦制度を作り管理してきたという事実が、浮かび上がってきたのです。
慰安所設置の決裁者は、父・朴正煕大統領でした。
これにより、これまで日本の従軍慰安婦問題を、散々非難し続けてきた朴槿恵大統領は、窮地に立たされています。
◆母・ユク・ヨンス
朴槿恵大統領のお母さんの名前は、陸英修(ユク・ヨンス)。
1925年11月29日生まれなので、夫の朴正煕より8歳年下になります。
培花高等女学校を卒業した後、1950年に、当時陸軍中佐だった朴正煕と結婚し、1男2女をもうけました。
夫の大統領就任後は、政治外交史や歴史学、英語などを多方面にわたって学び、政治と社会問題に視野を広げます。
ファーストレディとしても、韓服姿に穏やかな表情によって、国民から絶大な人気を誇り、「国母」と呼ばれ尊敬されました。
1974年8月15日、ソウル市内で開かれた光復節記念式典会場において、テロリストの文世光が撃った銃弾が頭部に命中し、死亡します。
いわゆる「文世光事件」です。
訃報を聞いた長女・朴槿恵は、急遽留学先のフランスから帰国し、その後は父のファーストレディー役を務めました。
◆妹も反日?
朴槿恵大統領の妹の名前は、朴槿令(クンリョン)。
1954年6月30日生まれなので、朴大統領より2歳年下で、現在61歳になります。
政治家の道を歩んだ姉とは異なり、音楽家となった後、韓国女性囲碁連盟総裁など文化活動を重ねました。
2015年8月、朴槿令は日本の動画配信サイト「ニコニコ生放送」に出演し、突如、「親日」発言を繰り広げ、話題となりました。
日本の首相の靖国参拝に対して批判する韓国政府のことを、「内政干渉」と批判したのです。
慰安婦問題については、「韓国国民が国内で面倒を見なければならない」と切り捨てました。
朴槿令が、実の姉である朴槿恵大統領の「反日」路線と真逆の発言をしたのはなぜでしょうか?
実は、2人の母親である陸英修夫人が、子供たちのために設立した児童福祉団体の運営を巡り揉め事が起き、姉妹の仲は断絶状態になっているのです。
槿令氏はインタビューの中でも、2013年の大統領就任式以来、姉とは会っていないと明かしています。
◆弟・パク・チマン
朴槿恵大統領の弟の名前は、朴志晩(パク・チマン)。
1958年12月15日生まれなので、朴大統領より6歳年下で、現在57歳になります。
陸軍士官学校を卒業後、育英財団理事、三陽産業代表理事等を経て、2000年よりEGテック会長を務めています。
実は、志晩氏は覚醒剤の使用で5度の逮捕歴がありました。
このため、彼の行動が、いつ朴槿恵政権を脅かすともわからないため、「朴槿恵のアキレス腱」と呼ばれています。
◆異母姉・パク・チェオク
このほか、朴槿恵大統領には、お母さんが異なる姉・朴在玉(パク・チェオク)がいます。
父・朴正煕の、最初の妻である金好南が生んだ子供ですが、父の最初の結婚はお互いが若すぎたため、上手くいきませんでした。
◆まとめ
これまで見てきた通り、朴槿恵大統領の両親はすでに他界しており、残る肉親である妹・弟との関係は芳しくありません。
大統領は、孤独なのだと思います。
信頼できる人生のパートナーでもできれば、実母・陸英修のように、国民に慕われる指導者となれるのかもしれませんね。
こちらの記事も読まれてます!
コメント