バッグや小物の世界的な人気ブランド『サマンサタバサ』を一代で築き上げた、寺田和正さん。
今回は、そんな寺田さんの『家族』にスポットを当てご紹介します。
◆実家は寺田鉄工所
寺田和正さんは、広島県福山市の出身。
実家は、地元で老舗(1917年創業)の『寺田鉄工所』です。
また、福山市といえば『洋服の青山』の創業地でもあります。
創業者の青山五郎(あおやま・ごろう)さんとは、子供の頃から家族ぐるみの付き合いで、経営者の師匠ともいえる存在だそうです。
◆父親に憧れてサマンサタバサ創業
父・寺田則昭さんは5代目として、会社を切り盛りしていました。
外車に乗り、ご飯を食べにいく時にはツケで支払うお父さんの姿は格好良く、憧れでもありました。
寺田さんが中学2年生の時、お父さんに
会社の後継者は誰なの?
と聞いたことがあります。
答えは
まだ誰とも決めてない
でしたが、その瞬間、自分ではないな…と直感しました。
すでに「将来は経営者になりたい」と思っていた寺田さんは、
自分で会社を興すしかないな…
と強く意識し始めます。
サマンサタバサのスタートラインは、まさにこの時点といえるでしょう。
この頃からゴルフを始めますが、社長になれば人付き合いで絶対に必要になると考えたからでした。
高校に入ってからは、友達を見る時も
彼は口が上手いから営業をやってもらおう
などと、考えるようになります。
こうやって、学生の時から経営感覚を養ったことが、実際に起業した後に役に立つことになりました。
◆母親への愛情
寺田和正さんの実家は、経営者一族ではありましたが、暮らしぶりは普通の生活だったそうです。
本当はお金があったのかもしれませんが、お母さんの躾が良かったのでしょうね。
寺田さんは、大学受験で志望校に落ちた際、浪人も考えましたが、お母さんに、
お前が1年間も真面目に勉強するとは思えない
と強く反対されます。
結局、浪人はせず、他の大学に進みましたが、これは後に後悔することになりました。
お母さんを恨むのではなくて、母親に言い返せなかった自分の弱さを恨んだのです。
人生初めての挫折でしたが、これをきっかけに、自分の意思を貫き通すことを学んだのでした。
ちなみに、起業してバッグを扱い始めた理由は、
お土産にバッグをあげた時の母親の喜び方が尋常ではなかったため
だそうです。
お母さんに対する愛情は、意外なところに役立っていました。
◆後継者の兄
寺田和正さんにはお兄さんがいて、名前は寺田雅一さん。
お兄さんは父親の跡を継いで、寺田鉄工所の7代目社長となりました。
かつては、兄ばかり可愛がる両親を恨んだこともありました。
しかし、この兄の存在こそが、寺田さんの反骨心を育て、事業の成功に繋がっているといえます。
◆祖母の存在
両親はお兄さんにつきっきりだったため、次男の和正さんはお祖母ちゃん子でした。
大好きなお祖母さんとは、小学校高学年でも一緒に寝ていました。
お祖母さんが寺田さんを寝かしつける時、戦争の話や会社の昔話を聞かせてくれましたが、最後は決まってこう言ってくれます。
あんたはお祖父ちゃんにそっくりだ。立派な社長になれるよ
実際、脱サラをして独立するとき、賛成してくれたのは父親と祖母だけでした。
お祖母さんの存在がなければ、社長・寺田和正は誕生していないかもしれません。
◆妻と子供は?
寺田和正さんは、2010年の段階で独身であり、子供もいないという事になります。
このことは意外にも、安倍昭恵(あべ・あきえ)さんのブログ《スマイルトーク》で知りました。
一時期、モデルの田丸麻紀(たまる・まき)さんと噂があったようですが、田丸さんは政治家の息子と結婚してしまいました。
ちなみに政治家とは、「偉大なるイエスマン」として権勢を奮った、元自民党幹事長の武部勤(たけべ・つとむ)さんです。
◆『奥様は魔女』とその娘に由来?
サマンサタバサの会社名については、アメリカのテレビドラマ『奥様は魔女』が関係していると言われています。
夫:ダーリン(Darrin)
妻:サマンサ(Samantha)
娘:タバサ(Tabitha)
主人公「サマンサ」と娘「タバサ」から名前をとったということですね。
しかし、サマンサタバサの英語表記は【Samantha Thavasa】であり、微妙につづりが異なります。
また、寺田さん自身も『奥様は魔女』説を否定していますが、
とされており、真実は闇の中です…
◆まとめ
寺田和正さんがカナダに留学していた頃、お父さんが脳卒中で倒れました。
すぐに帰ろうとした寺田さんに、お父さんはお母さんを通じてメッセージを伝えます。
お前が帰ってきても病気は治らない。
それよりも英語を勉強してくることのほうが家族のためになる。
何とも、経営者としての矜持を感じさせる言葉ではないでしょうか?
寺田さんは、家業を継ぐことはありませんでしたが、経営者としてのDNAは、父親から確かに引き継がれています。
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