2017年6月20日、将棋界のレジェンド・加藤一二三(かとうひふみ)九段が引退しました。
今回は、そんな加藤九段を支えた『家族』にスポットを当て、ご紹介します。
◆実家は福岡
加藤一二三九段は、福岡県嘉穂郡稲築村(現・嘉麻市)の生まれ。
14歳7カ月でプロ棋士となった加藤九段は、当時
『福岡のダイヤモンド』
と呼ばれていたそうです。
加藤九段の両親に対するエピソードはあまりありません。
それどころか、
私が奨励会に入る時の師弟関係は、親が勝手に決めた名目上の事で、私は師匠から将棋その他の事で一切世話にならなかった。
とする述懐があります。
ご両親とはあまり上手くいっていなかったのでしょうか?
◆教会で夫人と共に結婚講座
加藤一二三九段の奥さんの名前は、紀代さん。
日本将棋連盟の関西奨励会に入会した加藤九段は、関西の中学校の校長先生宅に寄留して、高校までを卒業しました。
その校長先生の親戚にあたるのが、妻・紀代さんでした。
紀代さんは、対局で休みがちだった加藤九段のために、授業のノートをとって渡してくれていたそうです。
高校時代の加藤九段にとって、紀代さんとの交友が精神的な大きな励ましや喜びとなり、高校3年生で八段になることができました。
私は高校を卒業する頃に、聡明で美しく、優しい妻と結婚したいと強く望んでいた。
この言葉どおり、2人は1960年代に結婚しています。
結婚の際、妻の紀代さんは加藤さんの師匠から
勝った時はほっといていいから、負けた時は、すごく大事にしてあげて下さいね
と言われたそうです。
紀代さんはその言葉を実践し、負けた日はニコニコして料理は加藤九段が好きなものをだし、将棋のことには触れないようにしていました。
加藤九段は、
当たり前だが感謝している、ともに歩んでくれたからこそいい将棋が指し続けられた
と感謝の言葉を述べています。
そんな加藤夫妻は、聖イグナチオ教会で30年にわたり「結婚講座」を開いているのだそうです。
講座は全12回にわたり、結婚・愛・人生について熱弁をふるうものだとか。
加藤夫妻の円満ぶりが伺える経歴だと思います。
◆長男・順一さん
加藤一二三九段は、一男三女の子宝に恵まれています。
長男の名前は、加藤順一さん。
息子さんが誕生した時、ちょうど順位戦で一位だったので、名前を順一にされたのだそうです(^_^;)
◆娘は全員・白百合学園の出身
加藤一二三さんの三人の娘は、全員、白百合学園の出身だそうです。
長女の名前は、由紀さん。
白百合幼稚園と将棋会館は同じ方向であったため、対局の日は加藤九段が由紀さんを幼稚園に送っていたそうです。
次女は美紀さん。
美紀さんは現在、白百合女子大学の准教授を務めています。
シスターの格好をした写真が公表されているので、美紀さんもクリスチャンなのですね。
三女はその名も「百合」さん。
百合さんが生まれた時は、加藤九段のテンションが上がりすぎて、新生児室のガラス戸に激突したというエピソードもあります(^_^;)
◆まとめ
1982年の名人戦。
20年越しの挑戦で、ようやく「名人位」を奪取した加藤九段は、報道陣のインタビューもそこそこに対局室を飛び出します。
そして、将棋会館編集室の電話機に飛びつくや、家の番号を回しました。
お父さん勝ったよ!
そこには、厳しい将棋の世界で頂点を極めた人間の、もう一つの姿がありました。
こういう面も持っているからこそ、加藤九段はみんなから愛されるのでしょう(^_-)
これからは少しゆっくり、将棋界のため日本のため、後輩たちを指導して欲しいと思います。
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