2016年3月19日、作家の夏樹静子さんが、心不全のため亡くなりました。
今回は、在りし日の静子さんを支えた『家族』にスポットを当て、ご紹介します。
◆実家・父親と母親について
夏樹静子さんの実家は、東京府港区芝西久保巴町(現・東京都港区虎ノ門三丁目)にありました。
静子さんは、1938年12月21日、父・五十嵐小太郎さんと母・きぬさんの長女(第2子)として誕生します。
父・小太郎さんは、群馬県を走る「上毛電鉄」に関わっていたという記述もありますが、定かではありません。
◆兄弟はいる?
夏樹静子さんにはお兄さんがいて、名前は五十嵐均(本名・鋼三)さん。
1937年生まれなので、静子さんより1歳年上になります。
兄・均さんは、東京都立日比谷高等学校を出て、慶應義塾大学の法学部を卒業しました。
ちなみに、静子さんも慶應の英文学科です。
均さんは、大学卒業後、総合商社に勤めたのち、ゴルフ場や不動産事業を展開する朝日物産(株)を設立。
1976年には、富士通系列の出版社(株)スエディットの取締役を兼ね、1978年に社長就任、その後ミストラル(株)に改組。
同社は、夏樹静子作品などの海外出版、国内TVドラマ制作を手がけています。
さらに、1978年には、松本清張氏らと(株)霧プロダクションを創立し、多数の映画・TVドラマを世に送りだしました。
バリバリのビジネスマンですが、もともと静子さんにミステリーの面白さを教えたのは、兄・均さん。
均さんは1994年、「ヴィオロンのため息の 高原のDデイ」で第14回横溝正史賞大賞を受賞し、作家デビューを果たしました。
1996年には、静子さんとの合作「βの悲劇」を刊行しています。
◆夫は新出光会長!
夏樹静子さんの旦那さんは、出光芳秀(いでみつ よしひで)さん。
1937年4月26日生まれで、今年で79歳なので、静子さんより1歳年上になります。
夫・芳秀さんは、名前からも分かる通り、出光一族の御曹司で、海賊と呼ばれた男・出光佐三氏の甥にあたる人物です。
芳秀さんと静子さんのなれそめは不明ですが、芳秀さんは早稲田大商学部を卒業しているので、2人は東京で出会ったのかもしれませんね(#^^#)
《この方も早稲田の出身です!》
乙武洋匡の『家族』〜嫁はどんな人?子供は早稲田へ?母の言葉?
芳秀さんは、大学卒業後、実家の新出光に入社し、1997年6月に社長就任。
現在は、同社の会長を務めています。
◆子供(娘)の現在は?
夏樹静子さんには娘がいて、名前は出光淑子さん。
1967年5月生まれなので、今年で49歳になります。
静子さんは夫の意向もあり、結婚後4年ほどは、執筆のことなど忘れたように過ごしました。
しかしある日、淑子さんを胸に抱いていた時のこと。
人生経験がほとんどない自分が唯一実体験できた「母と子のありさま」を書いてみたい…
突然湧き上がった衝動を抑えられず、『天使が消えていく』を執筆します。
同作は、江戸川乱歩賞に佳作入選し、この事がきっかけで、静子さんは文学界にカムバックを果たしたのでした。
娘・淑子さんは、1986年3月に福岡の名門・筑紫女学園高等学校を卒業。
同志社大学商学部を経て、博報堂に入社し、現在は赤坂の本社でACM(アカウティングマネージャー)を務めています。
◆息子は元俳優・出光秀一郎(画像)
夏樹静子さんには息子さんもいて、名前は出光秀一郎さん。
1969年10月9日生まれなので、今年で47歳になります。
秀一郎さんは、福岡大学附属大濠高校、東海大学教養学部国際学科を卒業後、俳優を志して青年座に所属しました。
「リング0 バースデイ」などの映画や、サスペンスドラマなどで活躍しましたが、現在は俳優業を引退。
広告映像プロデューサーを経て、現在は新出光で営業職を務めています。
◆まとめ
《作家・津島佑子さんに関する記事はこちら》
津島佑子の『家族』~作家・太田治子は異母妹、実父は太宰治
これまで見てきた通り、夏樹静子さんの活躍の陰には、「華麗なる一族」の温かい笑顔がありました。
静子さんが遺した100を超える作品は、一族の繁栄と共に、歴史を刻み続けることでしょう。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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