2019年2月8日、作家の堺屋太一さんが亡くなりました。
【本人プロフィール】
名前:堺屋太一(さかいや・たいち)
本名:池口小太郎(いけぐち・こたろう)
生年月日:1935年7月13日
没年月日:2019年2月8日(享年83歳)
◆実家は両替商の家系
堺屋太一さんの実家は、代々「堺屋」という両替商でした。
明治初期には地方銀行になったといいますから、力のある両替商だったのでしょう。
プロフィールにありますように、堺屋さんの本名は「池口小太郎」さんです。
堺屋太一というペンネームは、安土桃山時代に活躍した、十三代前のご先祖の名前からとったもの。
自身のルーツである「浪速の商人」に対するこだわりを、そのペンネームから感じることができます。
◆家族構成
堺屋太一さんの実家の家族構成は、ご両親と兄、姉、堺屋さんの5人家族です。
堺屋さん自身はご結婚されていて、奥さまがいらっしゃいます。
◆父親は弁護士
堺屋太一さんの父親の名前は、池口太郎さん。
父・太郎さんは早稲田大学を卒業後、弁護士として活躍しました。
堺屋さんが小学校2年生の時、買ったばかりの傘をなくしたことがありました。
この時、父・太郎さんは
“あの傘は一年使えたのに、なくしたのはお前の責任や。一年間傘なしで暮らすか、小遣いを溜めて買え”
と笑顔で諭したそうです。
太郎さんは幼い息子にも「自己責任」ということを教えようとしたのでした。
父・太郎さんは自由主義者で、誰にも頭を下げることなく、思うままに生きる人でした。
戦争中、近くに来た将校が実家に泊まると、太郎さんは、
“日本はこの戦争に勝てない”
と平気で口走っていたそうです。
治安維持法のもと、将校から怒鳴りつけられても、連行されてもおかしくない時代。
それでも父・太郎さんが無事だったのは、太郎さんが万事に通じた人格者であったからでしょう。
父親はものすごい読書家で、本棚にはマルクス、エンゲルスの全集からナチス芸術の本まで並んでいたといいます。
◆母親は弁護士の娘
堺屋太一さんの母親の名前は久子さん。
母・久子さんは奈良県の老舗呉服屋の家系で、母方の祖父も弁護士でした。
◆兄は東大卒の官僚
堺屋太一さんにはお兄さんがいて、名前は池口金太郎さん。
年齢は、堺屋さんより6歳年上でした。
お兄さんは成績も優秀で、東京大学を卒業して大蔵官僚になっています。
ちなみに父親の太郎さんは早稲田大学をこよなく愛し、官僚的なやり方が嫌いな人でした。
それなのに息子さんは2人とも東大を出て、2人とも官僚になるのだから、分からないものですね。
兄・金太郎さんは大蔵省では、近畿財務局の総務部長や北陸財務局長などの要職を務めています。
◆姉は市長夫人
堺屋太一さんにはお姉さんもいて、名前は余理子さん。
年齢は堺屋さんより3歳年上で、年齢が近いこともあり、とても仲が良い姉弟であったといいます。
堺屋さんと同じ『大阪府立大手前高等学校』を経て、『大阪女子大学英文学科』を卒業しているので、お姉さんも秀才ですね。
お姉さんはその後、静岡県の天竜市(現浜松市)長であった熊村昌一郎(くまむら・まさいちろう)さんと結婚されています。
◆妻は芸大出身の洋画家
堺屋太一さんは、1975年に結婚しています。
夫人の名前は史子(ちかこ)さん。
1943年2月24日生まれなので、今年(2019年)で76歳になります。
お父上は東大工学部出身で、当時の満州鉄道に勤務していた方だったそうです。
史子さんは1966年、東京藝術大学の美術学部油絵科を卒業しています。
以降、洋画家として活躍し、2004年には『ワイン色のセーター』で損保ジャパン東郷青児美術館大賞を受賞。
2012年には『深まる秋』で芸術院恩賜賞を受賞しています。
◆子供はいる?
堺屋太一さんは、2018年8月の雑誌『正論』にて、
“私は子供がいないので遠慮なくいえるのだが、世の中の進歩と安定のためには、有産階級が必要であり、「社会の重し」としても大事である”
と語っています。
子供さんはいらっしゃらないようですね。
◆もう一人の家族
後年、堺屋太一さんはこう語っています。
“わたしが生涯につき合った女性は3人しかいない。母と、妻と、ベートさん、その3人だけです”
ベートさんは、堺屋さんが予備校時代に出会い、その後、長きに渡って親交を温めたドイツ人女性医師のことです。
ベートさんは医師でありながら、土地、金、石油、デリバティブに投資を続け、後に世界的な大富豪となりました。
一回り上の年齢であったベートさんは綺麗な方でしたが、堺屋さんと恋愛関係はなく、「生きた経済感覚」と「人生哲学」を教えてくれた師匠のような方です。
ベートさんとの出会いがなければ、堺屋さんが小説家になることも、経済企画庁長官を務めることもなかったでしょう。
◆まとめ
これまで見てきたとおり、堺屋太一さんの活躍の陰には、温かく支えてくれた『家族』の姿がありました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
《2019年に亡くなった著名人》
コメント
冥福とか意味不明な自己満足な祈りを捧げないでもらえますか
コメントありがとうございます。
お気に障りましたら、申し訳ございません。