福原愛(ふくはら・あい)さんの離婚の可能性が取り沙汰されています。
そこで今回は、福原さんが離婚する場合に出てくる色んな問題について考えていきます。
◆日本法か台湾法か?
福原愛さんの夫は、江宏傑(ジャン・ホンジェ)さん。
台湾国籍の卓球選手です。
福原さんは日本国籍ですが、江さんと結婚して、一緒に台湾に居住していますね。
この場合、離婚に関する裁判管轄は台湾法が適用されます。
例外的に日本法が適用されるのは、次の場合です。
(1) 被告の住所が日本国内にあるとき
(2) その夫婦が共に日本の国籍を有するとき
(3) その夫婦の最後の共通の住所が日本国内にあり,かつ,原告の住所が日本国内にあるとき
(4) 原告の住所が日本国内にあり,かつ,被告が行方不明であるときなど,日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を図り,又は適正かつ迅速な審理の実現を確保することとなる特別の事情があるとき
福原さんはいずれにも該当しないですね
◆台湾法における離婚事由
台湾における離婚には、協議離婚と裁判離婚があります。
日本でもそうですが、離婚を考えた夫婦は、まずは話し合い(=協議)で離婚を目指すことになります。
協議離婚は、書面をもって行い、これには少なくとも2人の証人が署名し、かつ戸政機関に離婚の登記をしなければならない。
しかし週刊誌の報道では、福原さんは離婚を希望しているものの、夫の江さんは離婚を望んでいないようです。[3]
そうであれば、協議離婚は成立しない可能性が高いですね。
このような場合、離婚問題は法廷に持ち込まれます。
第1項 夫または妻が下記の事由のいずれかに該当する場合、他方は裁判所に対して離婚を請求することができる。
(一)重婚したとき
(二)配偶者以外の者と和姦したとき
(三)夫または妻が同居に堪えないほどの虐待を他方に与えたとき
(四)夫または妻が他方の直系親族を虐待した、あるいは夫または妻の直系親族が他方を虐待し、共同生活をするに堪えなくなったとき
(五)夫または妻が悪意をもって他方を見捨て、その状態が継続しているとき
(六)夫または妻が他方の殺害を企図したとき
(七)治療不可能な悪疾があるとき
(八)治療不可能な重大な精神病があるとき
(九)3年以上にわたり生死が不明なとき
(十)故意による犯罪により6月を超える懲役に処せられることが確定したとき
第2項 前項以外の重大な事由があり、婚姻を維持し難い場合、夫または妻は離婚を請求できる。ただし、夫または妻が当該事由について責任を負うべき場合、他方のみが離婚を請求できる。
◆不倫が事実だった場合
福原さんは、都内の一流企業に勤めるエリートサラリーマンとの不倫を報道されています。[4]
福原さんは、
- 恋人ではなく精神的にあまり安定していない自分をサポートしてくれる仲のよい友達の1人
- 2人でホテルに泊まったのは事実だが、ホテルの部屋は2部屋取っていた
- 自宅にも泊めたが、他にも部屋はある
と釈明していますが、苦しい立場と言わざるを得ません。
前述の台湾民法第1052条第1項(二)には、
配偶者以外の者と和姦したとき
という要件があるので、不倫は法定の離婚事由に該当します。
しかし、日本の法律では原因を作った有責配偶者からの離婚請求は認められないことが原則。
これは台湾でも同じだと思われます。
したがって、福原さん側から、自分の不倫を理由に離婚を請求することは難しいでしょう。
◆モラハラが事実だった場合
一方で、福原さんは、夫の江宏傑さんからモラハラを受けていたと報道されています。[5]
具体的には、
- つわりが重く、何度も吐いたりすると、夫からは「栄養がいかない」と叱られていた
- 歯科治療を終えた後の帰り道「誘うような口の開け方をして。この売女!」と罵られた
- 義母から「あなたは金を生む鶏」と言われ、夫に告げたところ「褒め言葉なのにマイナスに受け止めて頭がおかしい」と言われた
などが挙げられます。
これらが台湾民法第1052条第2項の、
前項以外の重大な事由があり、婚姻を維持し難い場合
に当てはまれば、法定での離婚が成立する可能性があるでしょう。
福原さん側としては、これらモラハラの証拠集めが、離婚を勝ち取るポイントとなるでしょう。
◆まとめ
2020年夏、福原愛さん夫婦は、台湾製洗濯機の広告に登場。
2人は笑顔で写真に写っていますが、福原さんが持つ本の表紙には『家事事件手続法』と書かれていました。
福原愛ちゃん夫妻が出ている台湾の洗濯機の広告。笑顔の愛ちゃんが手にしてる本に震える… pic.twitter.com/at9GqJVqeO
— ちばまこと (@makomayu1) June 21, 2020
「家事事件手続法」は、家庭に関する紛争を解決するための手続き事項が定められるものです。
なぜ晴れやかな広告に、そんな本を持って写っていたのでしょうか?
数ヶ月後の離婚騒動を暗示していたのでしょうか?
2人の子供のことを考えれば、離婚にならないのが一番なのですが、もうそのラインには引き返せないのでしょうか…
私たちに出来ることは、せめて静かに見守ることくらいだと思います。
よい形に収束することを願っています。
◇脚注
- 法務省ホームページ 2018年4月25日 人事訴訟法等の一部を改正する法律について
- ワイズコンサルティンググループ 2019年7月22日 第292回 台湾法上の離婚
- スポニチアネックス 2021年3月6日 福原愛さんの離婚騒動に夫声明「愛が消えることはない」
- 女性セブン 2021年3月4日 福原愛に不倫報道!夫と子供を台湾に残して横浜「お泊りデート」撮
- 週刊文春 2021年3月11日号 「この売女!」福原愛を離婚決意に追い込んだ「モラハラ夫」
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