相続は、あまり関係ないものに感じますが、高い確率で身近に起こるものです。
相続はある日突然始まります!
今回は、実家を相続した時に“まず”やるべきことをご紹介します。
◆実家を相続した時に“まず”やるべき5つの手続き
実家を相続したとき“まず”やるべき事は、
① 遺言の確認
② 相続人の確定
③ 相続財産の確定
④ 遺産分割協議
⑤ 相続登記
という5点となります。
順番に説明していきます。
①遺言の確認
相続が発生したら、つまり両親が亡くなったら、まず遺言の存在を確認します。
遺言があった場合、基本的には遺言に従って財産を分けることになります。
遺言書の封は、独断で開けないようにしてください!
遺言書には大きく、
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
の3種類があります。
1.自筆証書遺言は、名前のとおり、自分で作成する遺言のことです。
いつでも気軽に作成できて、費用もかからない点がメリットですが、内容に不備が合れば、遺言が無効になる危険性があります。
2.公正証書遺言は、公証人役場で作成してもらう遺言です。
公証人というプロが作成するので、後日無効になりにくく、家庭裁判所での検認手続きが不要なので、相続人にも負担がありません。
手数料がかかるのと、証人が2名以上必要となるのがデメリットでしょうか。
3.秘密証書遺言は、遺言の内容を秘密にしたまま、遺言の存在のみを公証人に証明してもらうやり方です。
遺言の内容を第三者に知られないことが最大のメリットですが、内容に不備があるリスクが残ります。
このため、秘密証書遺言は、あまり使われることがありません。
2020年7月から、手書きの「自筆証書遺言」の法務局保管制度が始まりました
法律の専門知識が必要であるため、ここは専門家に相談した方が良いでしょう。
②相続人の確定
次に、相続人を確定させます。
遺言がある場合は、遺言に記載がある人が相続人です。
遺言がない場合は、民法で法定相続人が定められています。
(法定相続人)
配偶者 | 常に相続人となる |
子 | 配偶者と共に相続人となる |
父母(直系尊属) | 子がいないときのみ相続人となる |
兄弟姉妹 | 子もしくは直系尊属がいないときのみ相続人となる |
法定相続人が妻と実子だけならば、話は単純です。
しかし、離婚、再婚、内縁、子の死亡、養子、隠し子…などが絡んでくると、複雑になってきます。
被相続人の除籍謄本、改製原戸籍、戸籍謄本などを読みこなす作業が必要となります…
法定相続人が確定したら、相続税の有無を確認します。
相続税の基礎控除額は、
となります。
仮に法定相続人が3人の場合は、
が基礎控除額なので、相続財産がその金額を超えるかどうかを計算するのです。
基礎控除額を超えなければ、相続税は発生しません。
③相続財産を確定
相続財産を確定させる作業も必要です。
不動産については、市役所等で故人の名寄帳を取り、それをもとに、被相続人名義の固定資産評価証明書を交付してもらいます。
預金・借入金は、取引がありそうな金融機関に残高証明書を発行してもらえば、一覧で把握することができるでしょう。
有価証券類は取引のある証券会社に確認するほか、車や貴金属などの動産は、目につくものを目録にまとめるようにします。
動産については、買い取り業者に査定してもらうと良いでしょう
④遺産分割協議
遺言がない場合や、相続人全員が遺言の内容に納得いかない場合は、遺産分割協議を行います。
遺産分割協議とは、誰がどの財産をどのように譲り受けるかを決めるものです。
たとえば、
長男が実家の土地・建物を引き継いで、長女と次男が預貯金を分ける
などと決める感じです。
遺産分割協議が整ったら、遺産分割協議書を作成することになります
遺産分割協議書を作成する際のポイントは、以下の通りです。
- 遺産分割協議書であることが明確にわかるタイトルをつける
- 誰の遺産を誰が相続したかを記載する
- 協議の結果、各自が取得することになった財産を記載する
- 協議を行った日付を明確にする
- 相続人全員が署名し、実印を押す
⑤相続登記
相続財産の引き受け先が決まったら、最後に相続登記を行います。
相続登記とは、不動産の所有者が亡くなったときに、不動産の名義を相続人に変更する手続きです。
実は、相続登記は義務ではありません
しかし、これを確実にやっておかないと、売ったり貸したりすることができなくなります。
後々、相続人の間でもめる事態を防ぐ意味でも、相続登記はしっかりとやっておきましょう。
◆まとめ
という訳で今回は、実家を相続したときにまずとるべき5つの手続きをご説明してきました。
① 遺言の確認
② 相続人の確定
③ 相続財産の確定
④ 遺産分割協議
⑤ 相続登記
専門性が高い分野なので、専門家に確認しながら進めていくことをお勧めします。
ご質問がありましたら、お気軽にコメントください
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