2017年8月12日、厚生労働省キャリア官僚の北島智子(きたじまともこ)さんが殺害される事件が発生しました。
北島さんの身の回りに、一体何があったのでしょうか?
◆北島智子さんについて
北島智子さんの年齢は56歳。
日本大学医学部を卒業して、昭和61年に埼玉県に入庁しています。
昭和63年には当時の厚生省に入省し、以降20年以上、医系技官として厚生労働省へ籍を置いています。
主要なキャリアは次のとおり。
【平成4年】文部省学校健康教育課(学校保健・学校健診)
【平成6年】山梨県健康増進課長(母子・精神・老人保健等)
【平成9年】厚生省児童家庭局母子保健課(母子保健・周産期医療・生殖補助医 療)
【平成11年】青森県健康福祉部次長・部長(保健・医療・福祉対策)
【平成14年】医政局指導課医療計画推進指導官(医療計画、救急医療対策)
【平成23年】新潟県副知事(保健・医療・福祉、雇用、教育、文化、防災等)
【平成25年】精神・障害保健課長(精神保健・医療・福祉)
【平成26年】環境省総合環境政策局環境保健部長
【平成28年】医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長
【平成29年】関東信越厚生局長
絵に描いたように華麗なキャリアですね .。. .。.:*
医系技官とは、医師免許・歯科医師免許を持った専門家が、保健医療に関わる制度作りの中心となって活躍する国家公務員のこと。
何回か自治体や違う省庁に勤めているのは、厚生労働省から出向しているためです。
山梨県の課長時代には、上九一色村でオウム真理教の問題が発生し、医系技官として大変な思いをしました。
平成23年には新潟県の副知事も経験。
副知事として、保健医療だけでなく、教育、雇用対策、文化、スポーツ、防災など幅広く担当しています。
当時の新潟県知事は、泉田裕彦(いずみだひろひこ)さんです。
泉田前知事も元経済産業相の官僚なので、北島さんとウマが合ったのかもしれませんね。
◆弟は殺人未遂容疑で逮捕
この事件で逮捕されたのは、北島智子さんの52歳になる弟。
逮捕容疑は、8月12日午前5時15分ごろ、東京都港区高輪の自宅マンションの一室で、北島智子さんの腹部を包丁で刺したというものです。
弟は、
私がやりました…
と容疑を認めていますが、精神疾患で通院歴があるため、警察は刑事責任能力など慎重に調べています。
◆弟には2人の10代の子供
事件は、加害者となった弟の10代の長女が、
父がおばを包丁で刺した
と110番通報したことで発覚しました。
また、弟には10代の長男もいて、事件が起きたマンションで3人で暮らしています。
弟の妻は同居しておらず、詳細は分かりませんが、別居の理由には弟の精神疾患が絡んでいる可能性が考えられます。
◆父親と母親
この日、北島智子さんは母親と一緒に、弟の家を訪れていたということです。
おそらくですが、精神的に具合が悪い弟を案じて、駆けつけて来たのでしょう。
一方で、北島さんは以前、
単身赴任中に亡くなった親たちには申し訳なく思っています
とも話しています。
「親たち」という言葉が引っかかりますが、父親はすでに亡くなっていると思われます。
→別に出た報道によると、母親は弟家族と暮らしており、北島さんは母親の介助のためにマンションを訪れていたとの事です。
◆夫や子供は?
北島智子さんは、厚生省に入省した昭和63年に結婚しています。
長いキャリアの中で、山梨県、青森県、新潟県へ出向した時は、それぞれ単身赴任をしていました。
子供がいたかどうかは分かりませんが、仕事に熱中し、単身赴任期間も長いため、子供はいなかったのかもしれません。
◆北島三郎さんの娘?
北島智子さんのことを調べると、演歌歌手・北島三郎さんの名前が浮上します。
これは、北島三郎さんの娘の名前が「智子」さんであるためでしょう。
しかし、そもそも北島三郎さんの本名は「大野」さんなので、娘さんの名前は「大野智子」さんということになります。
もちろん、今回の事件と歌手の北島三郎さんは無関係です。
◆まとめ
北島智子さんは医学部を卒業した時、
精神科医になりたい…
と考えていました。
そのため、平成25年に精神・障害保健課長を経験できたことを、
とてもうれしく良い経験でした
と話しています。
まさか精神疾患を負った弟に刺殺されるとは、夢にも思わなかったことでしょう。
ご冥福をお祈り申し上げます。
コメント