昭和を駆け抜けた大スター、高倉健(たかくら・けん)さん。
スターの名に相応しく、遺産の金額は、芸能界で最高の40億円と言われています。
残された遺産はどうなったのでしょうか?
そこで今回は、健さんの相続のケースを考えてみたいと思います。
◆遺産総額は40億円
高倉健さんの遺産総額は、約40億円 [1]と言われています。
遺産の内訳は、
- 世田谷区瀬田の自宅敷地(260坪) 6億5000万円
- 港区赤坂の閑静な住宅街に立つ低層マンションの一室(築40年、200㎡) 1億8000万円
- 東日本のさる別荘地の土地(500坪) 1000万円
- ポルシェ・カイエンやベンツSLなど高級外国車 2000万円×複数台
- アメリカに2つ持っていた別荘の売却代金 2億円
- 外資系の証券会社など4社に投資信託 30億円
などです。 [1] [2]
◆相続人は…?
高倉健さんは、歌手の江利チエミ(えり・ちえみ)さんと1959年に結婚。
1962年には子供を授かりますが、江利さんが重度の妊娠中毒症を発症し、中絶を余儀なくされます。
その後も夫婦関係は上手く行っているように見えましたが、1971年に電撃離婚。
以降、健さんは生涯独身を貫きました。
健さんの実家の家族は、両親と兄・姉・本人・妹の6人家族。
健さんが亡くなった時点で存命だったのは、妹さんだけです。[3]
本来であれば、妹さんが遺産の全額を相続する構図ですね。
順位なし 配偶者 常に相続人となる
第1順位 子供 配偶者とともに相続人となる(配偶者が2分の1)
第2順位 親 配偶者とともに相続人となる(配偶者が3分の2)
第3順位 兄弟 配偶者とともに相続人となる(配偶者が4分の3)
しかしここに、思わぬ伏兵が現れます。
晩年の健さんの世話を17年にわたり世話してきた女性が、亡くなる半年前に養女となっていたのです。
相続のルールでは、養女であっても、実子と扱いは変わりません。
40億円の遺産は、養女がすべてを相続することになりました。
相続税には、基礎控除(このケースでは3,600万円)など、様々な減免措置がとられています。
しかし、この遺産金額には焼け石に水の状態ですね。
ただ1人の相続人である養女が支払った相続税は、約21億円と言われています。
◆相続トラブルは?
うがった見方をすれば、40億円の遺産を独り占めすることができた、実の妹さん。
それが、死の半年前に「彗星のように現れた養女」に、すべてを持っていかれた訳です。
相続トラブルの要素がふんだんに含まれている話です。
おそらくマスコミも、そういう情報を探ったと思いますが、そのような報道はありません。
この点を考えると、妹さんの対応は素晴らしいと思います。
一方で、健さんの遺志は、
戒名なし、葬式なし、散骨を希望する
だったと伝えられています。
遺志を守るためなのか、養子となった女性は、健さんの死を妹さんに伝えず、葬儀にも呼ばず、遺骨も渡さなかったと報じられています。
これが本当ならば、少し行き過ぎた態度かと。
こういうやり方を、健さんは本当に望んでいたのでしょうか?
天国の健さんを心配させないようにしたいですね。
◆まとめ
という訳で今回は、高倉健さんの相続事情を見てきました。
奇跡的に相続人の間で遺産争いは起きていないものの、感情的なしこりはあるような気がします。
円満な相続って、本当に難しいですよね。
◇脚注
- 女性自身 2015年3月10日 高倉健さん 芸能人過去最高!存在していた総額40億円の巨額遺産
- 週刊新潮 2015年1月29日号 最期を看取った“養女”に「高倉健」が遺した土地8億円の遺産目録
- デイリー新潮 2020年11月10日 7回忌を迎えた「高倉健」 甥が初めて明かす「親しかった著名人」「やりたかった映画」
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