カズオイシグロの『家族』~妻・ローナ、娘・ナオミに捧ぐノーベル賞

2017年10月5日、スウェーデン・アカデミーは作家のカズオ・イシグロさんにノーベル文学賞を授与すると発表しました。

今回は、そんなイシグロさんを取り巻く『家族』にスポットを当て、ご紹介します。

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◆妻はイギリス人

カズオイシグロさんは、1986年にイギリス人女性と結婚しています。

妻の名は、ローナ・アン・マクドゥーガルさんです。

2015年に長編『忘れられた巨人』を発表したイシグロさん。

実はこの作品は、2004年には書き始めていました。

イシグロさんは、執筆途中の作品を他人に読ませる事は好みませんが、妻のローナさんだけは例外。

この作品も、50ページくらい書いたときに妻に読んでもらいました。

すると、

“これは全然ダメ。初めからやり直さないと”

と、けんもほろろに言われてしまいます(>_<)

すぐにはやり直す気にもなれず、放置。

その間に他の作品を書き、2本の映画製作にも関わりました。

その後、妻のアドバイス通り、最初の草稿を全部捨てて書き始めてみると、以前とはまったく違うアプローチの物語が完成します。

『忘れられた巨人』は、まさに10年越しの作品となりました。


《楽天で、少し立ち読みが可能です》

妻・ローナさんには色々と意見を聞くイシグロさんですが、『忘れられた巨人』では特に、妻の影響が大きかったと振り返っています。

◆子供は娘が一人

カズオイシグロさんには子供がいて、名前は“ナオミ”さんといいます。

“ナオミ“という名前は、海外でもよく見かける名前ですね。

ナオミ・キャンベル
ナオミ・ワッツ
大坂なおみ

何でも、Naomiという名前は旧約聖書にも登場していて、「心地よい」という意味があるのだそうです。

ところで、イシグロさんと妻・ローナさんは、娘の名前を考えるとき、「アサミ」と「ナオミ」で激しく対立したのだとか…

名前を巡って2人の仲が引き裂かれそうになっていたとき、救ってくれたのは友人の言葉でした。

“アサミはサダムとアサドを足して二で割ったような感じに聞こえるな。だいいち、アサドはシリアの独裁者じゃないか”

全国の“アサミ”さんに怒られそうなエピソードですが、子供は無事に“ナオミ”という名前に落ち着きました(^_^;)

イシグロさんは2000年4月、妻と娘・ナオミさんに捧げた長編小説の第五作、

『わたしたちが孤児だったころ』(When We Were Orphans)

を発表。

この本は出版と同時にベストセラーとなり、英米で非常に高く評価され、ブッカー賞とウィットブレッド賞にノミネートされています。

◆実家の父と母

カズオイシグロさんの父親の名前は、石黒鎮雄さん。

職業は海洋学者です。

父と母は日本人で、一家は長崎に住んでいましたが、イシグロさんが5歳の時、鎮雄さんがイギリス政府に招かれたのを機に、家族で渡英しました。

イシグロさんも成人するまで日本国籍でしたが、幼年期に渡英しているため、日本語はほとんど話すことができません。

そして、日本の法律が二重国籍を許さないため、日本国籍を1982年に放棄してイギリスに帰化しています。

ちなみに、イシグロさんは日本語を話せませんが、ヒアリングは別。

本人いわく、

“5歳まで母の日本語を聞いていたので、おかしいことに女性がしゃべる日本語は分かるんです”

ということ。

男性が話す日本語はまったく分からないそうですが、そんなことあるんでしょうか(~_~;)

◆まとめ

これまで見てきたとおり、カズオイシグロさんの活躍の陰には、温かく支えてくれた『家族』の姿がありました。

ノーベル賞は、そんな妻と娘に捧げられた栄冠であるとも言えます。

これからも家族の応援を胸に、イシグロさんの挑戦は続いていくことでしょう(^o^)丿

◆あとがき

カズオイシグロさん原作の「わたしを離さないで」は、2016年に綾瀬はるかさん主演で、日本でもドラマ化されました。

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ドラマの撮影前に東京とロンドンで対談していた綾瀬はるかさんは、ノーベル賞受賞に触れ、

“受賞おめでとうございます。ドラマで主人公を演じさせていただいた『わたしを離さないで』は私にとっても宝物です”

と、祝福のコメントを寄せています。

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コメント

  1. 加藤 より:

    石黒さんの「女性の日本語はわかるが男性の日本語はわからない」という言葉、面白いですね。日本には男言葉、女言葉とあるんです。英語などヨーロッパ語にはなく、男女ともに同じです。ちなみに目上目下で言葉遣いが日本では違いますがあちらでは同じです。
    英語の小説を読んでいると、兄弟姉妹、の関係が会話だけではわかりません。読み進めてやっと理解します。

    • カゲロウ より:

      コメントありがとうございます。
      私は英語の小説を読んだことはありませんが、そういう違いがあるんですね!
      ちょうど言語機能が発達しつつある幼少期に日本→イギリスへと渡っていますから、
      女性の日本語だけ分かる…という不思議な状態になることは理解できます。

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