作家として活躍した、文化勲章受章者の阿川弘之さん。
今回は、日本を代表する大作家とともに歩んだ『家族』にスポットを当て、ご紹介します。
◆長男・阿川尚之さん
阿川弘之さんの第1子・阿川尚之(あがわ・なおゆき)さんは、1951年4月14日生まれで、現在(2020年10月)69歳。
尚之さんは、慶應義塾大学の教授で、日本を代表する法学者の一人です。
他方、エッセイを出したり爆笑問題のテレビに出演するなど、多方面で活躍されています。
米国ジョージタウン大学のロースクールを卒業し、ニューヨーク州とコロンビア特別区の弁護士資格を持つ「アメリカ通」。
親米的なポジションからの発言が多い方です
実際の人物像はどうなのでしょう?
妹の佐和子さんは、
ウチの兄は、生意気なヤツでアメリカ大好き
と語っています。
見た目も本音も一貫しているのですね!
ただし、他の方に言わせると、
英国紳士を地で行くような人で、ユーモアに溢れた人物
という評価もあります。
◆長女・阿川佐和子さん
阿川弘之さんの第2子・阿川佐和子(あがわ・さわこ)さんは、1953年11月1日生まれで、現在(2020年10月)66歳。
「TVタックル」や「サワコの朝」など、テレビでお馴染みですね。
しかし、慶應義塾大学文学部を卒業後は、織物職人を目指していたという、変わった経歴があります。
1981年、朝の情報番組のリポーターを務めたことをきっかけに、1983年より報道番組『情報デスクToday』のアシスタントを6年間務めました。
1989年からは『筑紫哲也 NEWS23』のキャスター、その後『報道特集』のキャスターを務め、確固たる地位を築いていきます。
自他ともに「コネ」「親の七光り」との評価がありますが、聞き上手・話のさばき振りは間違いなく「天賦の才能」。
週刊文春の対談企画『阿川佐和子のこの人に会いたい』は、
- 高倉健(たかくら・けん)
- 吉永小百合(よしなが・さゆり)
- 勝新太郎(かつ・しんたろう)
などそうそうたる人物をはじめ、1000人を超えるゲストを迎えました。
私生活では長く独身が続きましたが、これも本人の意思とは異なる展開。
大学を出たころの佐和子さんは、
お見合い結婚をして亭主というスポンサーがついたら、ほどほどにお尽くし申し上げ、もう1つの道として、織物をする
という人生プランを立てていました。
計画通り30回あまりのお見合いをこなしますが、結婚にはいたらず。
理想が高すぎたのか、男性に見る目がないのか…
とうとう還暦を過ぎ、もう結婚はないかと思われましたが、そこからミラクルを起こします。
2017年5月、63歳で結婚を公表したのです。
お相手は、6歳年上の元大学教授。
男性の離婚を待った末の結婚であったため、一部で物議を醸したりもしました。
◆次男・阿川知之さん
阿川弘之さんの第3子・阿川知之さんは、1961年生まれなので、今年(2020年)で59歳。
芸能人などではないため、あまり語られていませんが、阿川弘之さんが46歳の時発表した「末っ子」には、次男の誕生の顛末が記されているそうです。
2020年現在は、米国ロサンゼルスで暮らしています
◆三男・阿川淳之さん
阿川弘之さんの第4子・阿川淳之さんは、1972年生まれなので、今年(2020年)で48歳。
淳之さんは、阿川さんが51歳のときに生まれた子供であり、このときの妊娠発覚から出生までの様子は、小説「末の末っ子」で詳しくユーモラスに描かれています。
淳之さんが高校一年生になったとき、父親から「五分間論語」を強制され、夕食の前の五分間、親子差し向いで論語の素読をしていました。
社会に出てからは日本航空に勤務しており、仙台支店時代は、久恒啓一さん(現・多摩大学学部長)と共に勤務し、酒を酌み交わす仲だったそうです。
◆妻・みよさん
阿川弘之さんの奥様の名前は、みよさん。
弘之さんより8歳ほど年下になります。
一番下の淳之さんを44歳で出産していますから、驚異的ですね!
阿川弘之さんは、いわゆる亭主関白で、
我が家は大日本帝国だ!
と奥様を一喝した、という話もありますから、奥様は大変であった事でしょう。
そんな奥様の嫁入道具の中に、村井弦斎著『食道楽』春夏秋冬全四巻がありました。
しかし、結婚後50年経っても、奥様の実家では弦斎流の手料理が振る舞われた事はなく、誰がいつ、どんな目的でこれを買い求めたのかは謎に包まれています。
歳月を重ねた夫婦であっても、一つや二つ、謎があった方が良いのかもしれませんね。
妻・みよさんは、2020年5月に亡くなっています。
◆まとめ
ここまで見てきた通り、阿川弘之さんの作家生活の陰には、最大の功労者である奥様と、最愛の子供達がそばにいました。
今は天国で、みよさんと穏やかに暮らしていることでしょう。
日本のため、家族のために長い間活躍されましたので、ゆっくりして欲しいですね。
◇編集後記
阿川弘之さんは、
俺が死んでも、たたえる追悼記など書くな
という遺言を残していました。
長女の阿川佐和子さんがその言葉を守り、
お父ちゃんがいかに無茶苦茶な人であったか。周囲がどれほどひどい目に遭わされたか
について、思い出すかぎり書きなぐった本がこちらです。
お父上のあまりの暴君ぶりに震えつつも、いつしか父と娘の不思議な情愛にホロリとくるエッセイですね(^_-)
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