ロシアのフィギュアスケートコーチとして活躍する、エテリ・トゥトベリーゼさん。
ニックネームは「鉄の女」です!
今回は、そんなトゥトベリーゼさんを取り巻く『家族』の物語です。
英語表記:Eteri Georgievna Tutberidze
生年月日:1974年2月24日
出身地:モスクワ
◆生い立ち
トゥトベリーゼさんは、旧ソ連時代のモスクワで生まれました。
血筋は1/2がグルジア人、1/4がロシア人、1/4がアルメニア人という3つの血統を持っています。
ロシアの聖人・聖マトローナの教会の近くにある実家は裕福ではありませんでしたが、楽しい子供時代を送りました。
そんなトゥトベリーゼさんが、フィギュアスケートをはじめて目にしたのは、4歳半のときでした。
まるでおとぎ話か魔法みたい…
氷上を優雅に滑る華麗なスケーターたちに心を奪われたトゥトベリーゼさん。
スケートをさせてほしい
と、母親を熱心に説得し、フィギュアスケートの世界を歩きだしたのでした。
◆家族構成
トゥトベリーゼさんの実家の家族構成は、父親、母親、長姉、次姉、三姉、兄、トゥトベリーゼさんの7人家族です。[1]
自身は未婚で独身ですが、2003年に娘を出産しています。
◆父親
トゥトベリーゼさんの父親は、二交代制の工場に勤務していました。
トゥトベリーゼさんが生まれるとき、お父さんは、
5番目の子は男の子がいい
と考えます。
結果は4人目の女の子。
それでもお父さんは、全くがっかりすることなく、愛情を注いで育ててくれました。
一方でお父さんは、古い考え方を見せたこともあります。
トゥトベリーゼさんが4歳の時、グルジアから親戚がやってきたことがありました。
そしてお父さんに、子どもは何人か?と尋ねます。
するとお父さんは、
うちには息子が一人いる
と答えたのです。
トゥトベリーゼさんがお父さんの肩を叩いて、
パパ、うちには5人の子供がいるでしょ?
と言っても取り合ってくれません。
お父さんは、
トゥトベリーゼという苗字を持つのは息子だけで、家系を継ぐのは息子だ、女の子たちは子どもの数には入らない
と言う考えだったのです。
その時、トゥトベリーゼさんは、
女の子も数に入るのだ…
ということを証明したいと思ったのでした。
◆母親
トゥトベリーゼさんの母親は教育に熱心で、
娘たちには外国語と楽器の演奏を絶対にプロレベルで身につけさせるべきだ
という考えを持っていました。
トゥトベリーゼさんも、イッポリトフ=イワーノフ音楽学校でピアノを専攻し、優秀な成績で卒業しています。
また、トゥトベリーゼさんがフィギュアスケートを希望すると、優秀なコーチであるエヴゲニヤ・ゼリコワ氏の教室に入れてくれました。
そうして、順調に上達していくトゥトベリーゼさんに悲劇が襲います。
脊椎にひびが入るという重大なけがを負ってしまったのです。
お母さんは治療のために、ありとあらゆる医者に診せてまわり、いろいろな薬を購入し、カルシウム注射を投入しました。
治療の甲斐あって脊椎は完治しましたが、副作用が出てしまいます。
わずか3ヵ月間で、身長が22㎝も伸びてしまったのです。
身長の高さが不利となったトゥトベリーゼさんは、
シングルでの成功は望めないのではないか
と考えるようになります。
そうして、アイスダンスヘ転向し、やがてアメリカへ渡ることとなったのです。
◆5人きょうだいの末娘
トゥトベリーゼさんは、5人きょうだいの一番下に当たります。
上の姉3人は、母親の方針に従って、ドイツ語と英語のスペツシコーラ(特別学校)や絵画のレッスンに通い、楽譜の読み方も習っていました。
一番年齢が近いきょうだいが兄だったため、トゥトベリーゼさんは兄のお下がりを着なければなりませんでした。
お姉さんたちは年齢が離れ過ぎていて、服の大きさが合わなかったのです。
残念なことにお兄さんは、カーキ色など男の子っぽい色が好きでした。
しかしトゥトベリーゼさんは、服の色以外は、きょうだいに不満はありませんでした。
◆愛娘・ダイアナ
トゥトベリーゼさんは、娘を持つシングルマザーです。
娘の名前はダイアナ・デイビスさんです。
英語表記:Diana Sergeevna Davis
生年月日:2003年1月16日 [2]
出身地:アメリカ・ネバダ州
ダイアナさんは幼い時から「感音難聴」を患っていました。
それでもトゥトベリーゼさんは、娘が2歳のときからリンクに娘を連れて行きます。
見よう見まねで滑らせてみると、みるみるうちに上達していきました。
最初は母親と同様、シングルスの選手でしたが、
耳の問題がある人は1人で滑るとケガをする確率が高い
という母親の勧めで、アイスダンスに転向しています。
ロシアメディアに、
私は娘が人生にちゃんと適応して育つようできることを全てしなくてはならない
と語ったトゥトベリーゼさんは、娘にも厳しい練習を課しました。
その甲斐あって、グレプ・スモルキンさんとペアを組んだチームは、2021年末のロシア選手権で2位に入り、北京オリンピックへの出場資格を得ました。
トゥトベリーゼさんはこの結果を喜び、インスタグラムに2人の写真を上げて、
素晴らしいデビュー戦
と祝福しています。
#トゥトベリーゼ さんの愛娘 #ダイアナ・デイビス さん(向かって左)です(↓)https://t.co/ijtvUgzx3I
ワリエワのドーピング疑惑 責任論浮上のトゥトベリーゼどんな人?厳しい指導に賛否 https://t.co/XnleiqrkPs pic.twitter.com/l008ouk199
— カゲロウ (@Kagerou_Kazoku) February 19, 2022
◆娘の父親はセルゲイか?
トゥトベリーゼさんは未婚のシングルマザーということですが、娘の父親は誰なのでしょう。
この点、トゥトベリーゼさんは、
娘の父親は夫のデイヴィスという人物だが、彼はロシアに一緒に来たがらなかった
と話しています。
「夫」と言っていますので、アメリカの法律では結婚していたのかもしれませんね。
娘を授かったのはアメリカにいた時代であり、「デイヴィス」という名前からも、夫はアメリカ人ではないかと推測されます。
ちなみにフィギュアスケート界では、
ダイアナの父親は、フィギュアスケートコーチ・エレーナ・ヴォロレゾワの夫である、セルゲイ・ブリャノフではないか?
と囁かれているのだそうです。[1]
◆まとめ
これまで見てきた通り、トゥトベリーゼさんの活躍の陰には、温かく支えてくれた『家族』の姿がありました。
これからも家族の応援を胸に、トゥトベリーゼさんの挑戦は続いていきます(^o^)丿
◇脚注
- クーリエ・ジャポン 2019年10月27日 世界最強のコーチ、エテリ・トゥトベリーゼとは何者か?─その人生に迫る
- Olympics.com 2022年2月19日確認 BEIJING2022 Diana DAVIS
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