相続した実家は、そのままでは売ったり貸したりできません。
そうです、片付けが必要なのです!
今回は、実家の遺品を3つに整理して片付ける方法をお伝えします。
◆実家を相続したら
相続が開始(親が死亡)され、実家を相続するまでに行う手続きは、5つほどあります。
- 遺言の確認
- 相続人の確定
- 相続財産を確定
- 遺産分割協議
- 相続登記
実家の片づけとの関連では、ないと思っていた遺言書が、
実家を片付けているときに出てきた…!
というケースがままあります。
また、遺言書の書中に、
腕時計は友人の〇〇に贈って欲しい
など「片付け」に関することが記載されていることも。
さらに、宝石や貴金属など、相続財産を構成するものが、実家の荷物の中に紛れ込んでいることもあるのです。
相続手続きと実家の片づけは、表裏一体の関係といえますね
◆遺品は3種類に整理して片付ける
遺言書をクリアしたら、いよいよ実家の片付けに入っていきます。
その際、遺品は3つの種類に分類して考えると、うまく運んでいくでしょう。
①貴重品
1つ目は絶対捨ててはいけないもの、貴重品です。
貴重品の種類としては、
- 銀行や郵便局の通帳
- 実印、銀行印
- 保険証書
- 株券
- 土地や建物の権利書
- 宝石・貴金属類
- 骨董品・美術品
- 借用証書
などがあります。
これらの貴重品は相続財産を構成するので、取り扱いには注意しなければなりません。
借金も相続財産に含まれます
通帳と印鑑は、銀行や郵便局の預貯金を相続するときに必要となります。
見つかった通帳以外にも銀行口座がある可能性があるので、金融機関からの通知書などをしっかりと探しましょう。
保険についても、思わぬ保険に加入している場合があるので、注意が必要です。
株式については、昔は株券そのものに価値がありましたが、現在はペーパーレス化が進んでいます。
株券があっても、故人は株主でない場合も考えられるので、証券会社などに確認しましょう。
土地・建物の権利書も同様で、昔は不動産の所有者を証明するための書類として、非常に重要な書類でした。
しかし2005年に法改正され、以降の不動産登記情報はオンライン化され、権利書は発行されなくなっています。
そうは言っても、権利書は重要なので、慎重に取り扱うようにしましょう。
宝石や貴金属については、購入した店に引き取ってもらう方法があります。
骨董品や美術品も同様ですが、購入した店が分からない場合は、デパートの外商に相談して見るとよいでしょう。
もし金銭的価値の高い相続財産が見つかった場合は、遺産分割や相続税などに影響が出てきます。
その時はすぐに税理士や司法書士などに相談するようにしましょう。
②思い出の品
2つ目は捨てるものと捨てないものに分かれる、思い出の品です。
ここに分類されるものは、
- 日記・手紙
- 写真・アルバム
- 賞状・トロフィー
- 人形・ぬいぐるみ
- 趣味の作品
などが考えられます。
日記や手紙は、分量や保管状態によって選別していくのが良いでしょう。
そもそも分量が少ない場合は、捨てる必要がありませんが、
日記帳が50冊ある
などという場合は、「保管状態が良いもの」「〇年以降のもの」で選別します。
手紙は「差出人を知っているか?」という基準で選別するといいです。
写真・アルバムも分量次第になりますが、アルバムが何十冊もある場合は、相続人(子供)の数にまとめてそれぞれが受け継ぐと良いです。
この場合も「写っている人を知っているか?」という基準が役に立ちます。
賞状・トロフィーは権威があるもの(優勝など好成績、国主催、メジャーな大会など)だけを残し、それ以外は思い切って処分します。
人形やぬいぐるみは、神社やお寺で供養してもらうことができます。
創建1200年、人形供養だけで400年の歴史を持つ、由緒あるお寺となっています。
日本で唯一の人形専用の火葬炉があることも驚きですね。
人形の持ち込みは毎日受け付けており、遠方の方は宅配便で送ることも可能です。
最後に、故人が趣味で行っていた絵画や書、陶芸などの創作物です。
数が少なければ問題になりませんが、多い場合は作品を絞り込む必要があります。
選定基準としては、コンクールなどで入賞したものや家族との関連などで選んでいくと良いでしょう。
③処分する品
3つ目はほとんどを売るか捨てることになる、処分する品です。
- 本・CD
- パソコン・DVD
- 家具・電化製品
- 衣服・食器
- 仏壇
これらはかさばるものが多いので、いかに処分できるかが、実家片付けの成功の秘訣と言えます。
もちろん、思い出があるものは手元に残しておきます
本やCDは買い取り業者に引き取ってもらうパターンが一番多いです。
本の寄贈を募っている図書館もあるので、問い合わせてみるといいでしょう。
パソコンやDVDには、人に見られたくないデータがあることも考えられるので、破壊してから廃棄します。
家具や電化製品、衣服、食器は、リサイクルショップの出張買取が便利です。
ただし、引っ越しシーズンなどは依頼が殺到し、すぐに来てくれないことも考えられるので、余裕をもって連絡しましょう。
仏壇を廃棄する際には、仏の魂を抜く儀式である「閉眼供養」が必要なので、菩提寺や仏具店に依頼することになります。
仏壇を処分する場合でも、位牌は故人そのものと言えるので、できるだけ残しておくようにしましょう。
◆まとめ
という訳で今回は、相続した実家を片付ける方法をご説明してきました。
なるべく処分することが成功の秘訣ですが、いったん捨てると取り返しがつかないので、慎重さも求められます。
不明な点などは、お気軽にコメントください。
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