実家を相続した時には、抑えておくべき4つのスケジュールがあります。
7日、3ヶ月、4ヶ月、10ヶ月です!
今回は、この4つのスケジュールをご紹介していきます。
◆実家を相続したら
そもそも相続が開始(親が死亡)され、実家を受け継ぐまでに行う手続きは、5つほどあります。
- 遺言の確認
- 相続人の確定
- 相続財産を確定
- 遺産分割協議
- 相続登記
相続するまでの手続きはこちらの記事をご参照ください
◆抑えるべき4つのスケジュール
この記事では、上記の5つの手続きの背後にある、4つのスケジュールをご説明していきます。
7日以内 死亡届
最初のスケジュールは 7日 です。
これは、死亡届の提出期限になります。
死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
提出先は、市区町村の役場です。
死亡届の届出人になれるのは、同居の親族、親族以外の同居人、故人の住居の家主や地主、後見人などです。
もし期限を過ぎてしまったら、5万円の過料(かりょう)となります。
過料とは、軽い罰金のようなものです
ちなみに、相続と直接関係ありませんが、
- 厚生年金…10日以内
- 国民年金、健康保険、介護保険…14日以内
という手続きも必要なので、ご留意ください。
3ヶ月以内 相続放棄と限定承認
次のスケジュールは3ヶ月です。
これは、相続放棄と限定承認の申述の期限です。
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民法第915条 第1項
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
相続は、プラスの財産(実家の土地建物など)だけではなく、マイナスの財産(借金)も引き継いでしまいます。
そこで、明らかに借金の方が多い場合は、相続人は相続放棄を選んだ方が有利となります。
また、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いか分からない場合は、限定承認(プラス財産を超えない範囲に限りマイナス財産を相続する)という便利な制度もあります。
ただし、限定承認は相続人全員で行う必要があります
これらを届け出る期限が3ヶ月以内なのです。
手続きは、被相続人(親など)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。
もし期限を過ぎてしまった場合ですが、915条にある通り、家庭裁判所が期間延長を認めれば、相続放棄等は引き続き可能となります。
4ヶ月以内 準確定申告
次のスケジュールは4ヶ月です。
これは、所得税の準確定申告の期限となります。
第百二十条第一項(確定所得申告)の規定による申告書を提出すべき居住者がその年の翌年一月一日から当該申告書の提出期限までの間に当該申告書を提出しないで死亡した場合には、その相続人は、次項の規定による申告書を提出する場合を除き、政令で定めるところにより、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月を経過した日の前日(同日前に当該相続人が出国をする場合には、その出国の時。以下この条において同じ。)までに、税務署長に対し、当該申告書を提出しなければならない。
居住者が年の中途において死亡した場合において、その者のその年分の所得税について第百二十条第一項(確定所得申告)の規定による申告書を提出しなければならない場合に該当するときは、その相続人は、第三項の規定による申告書を提出する場合を除き、政令で定めるところにより、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月を経過した日の前日(同日前に当該相続人が出国をする場合には、その出国の時。以下この条において同じ。)までに、税務署長に対し、当該所得税について第百二十条第一項各号に掲げる事項その他の事項を記載した申告書を提出しなければならない。
準確定申告とは、亡くなった人の所得に関して、法定相続人または包括受遺者(ほうかつじゅいしゃ)が確定申告を行う手続きです。
包括受遺者とは、相続財産のうち遺言により指定された割合で財産を受け取る人です
- 亡くなった前年の所得に対する確定申告
- 亡くなった年の所得に対する確定申告
の2パターンありますが、期限はいずれも「相続の開始を知った日から4ヶ月以内」となっています。
もし期限を過ぎてしまった場合は、延滞税(年利14.6%)や加算税が付加されるので、注意が必要です。
10ヶ月以内 相続税の申告・納付
最後のスケジュールは10ヶ月です。
これは、相続税の申告・納付期限となっています。
相続又は遺贈(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で第二十一条の九第三項の規定の適用を受けるものに係る贈与を含む。以下この条において同じ。)により財産を取得した者及び当該被相続人に係る相続時精算課税適用者は、当該被相続人からこれらの事由により財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格(第十九条又は第二十一条の十四から第二十一条の十八までの規定の適用がある場合には、これらの規定により相続税の課税価格とみなされた金額)の合計額がその遺産に係る基礎控除額を超える場合において、その者に係る相続税の課税価格(第十九条又は第二十一条の十四から第二十一条の十八までの規定の適用がある場合には、これらの規定により相続税の課税価格とみなされた金額)に係る第十五条から第十九条まで、第十九条の三から第二十条の二まで及び第二十一条の十四から第二十一条の十八までの規定による相続税額があるときは、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内(その者が国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をしないで当該期間内にこの法律の施行地に住所及び居所を有しないこととなるときは、当該住所及び居所を有しないこととなる日まで)に課税価格、相続税額その他財務省令で定める事項を記載した申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
期限を過ぎてしまった場合、延滞税や加算税が付加されるのは、準確定申告と同じです。
「延納」という制度もありますが、これは担保を提供する代わりに、税金を分割で支払うものです。
相続税の物納・延納の期限も10ヶ月となっています。
税金については、こちらの記事もご参照ください
◆まとめ
という訳で今回は、相続で抑えるべき4つのスケジュールをご説明してきました。
難しい部分は、専門家の力を借りながら進めていくと、スムーズだと思います。
不明な点などは、お気軽にコメントください。
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