相続した実家の【売却】に向けた7つの手順~①査定 ②媒介契約 ③売り出し ④内覧 ⑤交渉 ⑥売買契約 ⑦決済

今回は、実家を相続した後に売ることを決めた方が、実際に売却するための手順をご紹介していきます。

相続するまでの手順はこちらの記事をご参照ください。

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◆相続した実家の売却に向けた7つの手順

一般的に、戸建てを売るまでにかかる期間は、6カ月間と言われています。

マンションはもう少し短くて、4カ月間です

実家売却に向けた手順は、以下の7項目あります。

① 査定~不動産会社を探す~
② 媒介契約を結ぶ
③ 売り出し(販売活動)
④ 実家の内覧
⑤ 価格の交渉
⑥ 不動産売買契約
⑦ 決済・引き渡し

1つずつ、手順を見ていきましょう。

①査定~不動産会社を探す~

不動産の売却は、素人だけで完結させるのは難しいので、不動産会社に仲介を依頼することになります。

相続人が実家エリアの事情に詳しくて、信頼できる不動産会社を知っているようであれば、そこに相談するのが良いでしょう。

そうでない場合は、何軒かの不動産会社を比較検討することをお勧めします。

この場合、複数の不動産会社に1件1件連絡を取っていくのは手間なので、一度で複数の不動産会社に連絡を取れる一括査定を利用すると便利です。

例えばこんなサービスです

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②媒介契約を結ぶ

①により良い不動産会社が見つかったら、媒介契約を結びます。

媒介契約には、

  • 専属専任媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 一般媒介契約

の3種類が存在します。

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
複数の会社と締結
自分で買い手を探す
レインズへの登録 5日以内 7日以内 任意
依頼者への報告 7日に1回以上 14日に1回以上 義務なし

一番、多く利用されているのは、専任媒介契約でしょう

この契約は、不動産会社は一社に限定されますが、知り合いなど自分で買い手を見つけてくることも可能です。

レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。

(Real Estate Information Network System=REINS)

レインズに登録された物件は、全国の不動産会社で閲覧が可能になるため、多くの人に不動産情報を届けることができます。

専任媒介契約では、1週間以内にレインズへ登録する義務があるので、この点もメリットだと思います。

③売り出し(販売活動)

媒介契約を結んだら、いよいよ実家の販売活動が始まります。

不動産会社は、

  • レインズへの登録
  • 折り込みチラシの作成
  • インターネット広告の掲載
  • 他の不動産会社との連携

などにより、販売活動を行い、報告をしてくれます。

一般媒介契約では、レインズへの登録や報告の義務がありませんが、任意でやってくれるかは確認した方が良いでしょう

この時にかかる広告費は、法律により不動産会社が負担する事となっています。

ただし、売主の希望によって行われた特別な広告の費用については、実費分を売主に請求することが認められています。

④実家の内覧

購入希望者が出てくると、必ず実家の内覧が入ります。

実物を見ずに不動産を買う人はいませんよね?

内覧の対応は、基本的に不動産会社がやってくれますが、印象をよくするために清掃をしておいた方が良いでしょう。

実家が近ければ自分で清掃してもいいですし、遠方であればハウスクリーニングを入れる方法もあります。

内覧当日は、所有者が立ち会うこともあります。

この場合は、「売り込む」という姿勢ではなく「質問されたことに答える」という姿勢で臨んだ方が上手くいきます。

隣近所の状況や小学校の雰囲気など、生の情報を教えてあげると、喜ばれるでしょう

⑤価格の交渉

内覧した方が物件を気に入ってくれたら、価格を中心とした契約条件の交渉が始まります。

価格については、一括査定などの金額を参考に、事前に売り出し価格を決定します。

値下げの要求は「必ずある」と思っておいたほうが良いでしょう

交渉は不動産会社が行ってくれますが、売り出し価格をいくらに設定するのか、値下げに応じるのか…については、所有者(相続人)が判断します。

  • 早い段階でお金が必要なのか?
  • 値下げを断ったら話が流れそうか?
  • 他にも購入希望者があらわれそうか?

などを勘案して、判断する事になります。

⑥不動産売買契約

晴れて買い手が決まったら、不動産の売買契約を締結します。

所有者でないと契約できないので、相続登記を済ませておくことが大前提です

不動産売買契約書の準備や、法律上必要な「重要事項説明」は、不動産会社がやってくれます。

ただし、後々のトラブルを避けるため、契約書や重要事項説明書の内容は、売り主も十分に理解しておいてください。

【重要事項説明書の内容】※財団法人不動産適正取引推進機構の資料より抜粋

Ⅰ. 対象となる宅地又は建物に直接関係する事項

  1. 登記記録に記録された事項
  2. 都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限の概要
  3. 私道に関する負担に関する事項
  4. 飲用水・電気・ガスの供給施設及び排水施設の整備状況
  5. 宅地造成又は建物建築の工事完了時における形状、構造等(未完成物件のとき)
  6. 当該宅地建物が造成宅地防災区域内か否か
  7. 当該宅地建物が土砂災害警戒区域内か否か
  8. 石綿(アスベスト)使用調査の内容
  9. 耐震診断の内容
  10. 住宅性能評価を受けた新築住宅である場合(住宅性能評価書の交付の有無)

Ⅱ. 取引条件に関する事項

  1. 代金及び交換差金以外に授受される金額
  2. 契約の解除に関する事項
  3. 損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
  4. 手付金等の保全措置の概要(業者が自ら売主の場合)
  5. 支払金又は預り金の保全措置の概要
  6. 金銭の貸借のあっせん
  7. 瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要
  8. 割賦販売に係る事項

Ⅲ.その他の事項

  1. 供託所等に関する事項
    ※その他、取引の判断に重要な影響を及ぼす事項についても記載・説明されます。

⑦決済・引き渡し

不動産の契約と決済・引き渡しは別の日程となることが一般的です。

物件の購入者は、契約を基に銀行ローンを組む場合が多いので、しばらく時間が必要なのです。

そうして、購入者も資金のめどがついた時点で、決済と引き渡しを行います。

決済・引き渡しは、司法書士立会いの下、銀行の会議室などで行われることが多いです。

決済・引き渡しは、次の手順で行われます。

  1. 銀行ローンが実行される
  2. 買い手から売り手に対し、売買代金が支払われる
  3. 所有権移転登記の書類を司法書士が確認する(同日付で登記)
  4. 抵当権登記の書類を司法書士が確認する(同日付で登記)

無事に売買が成立すると、不動産会社には仲介手数料を支払います。

不動産仲介料は、宅地建物取引業法により、上限額が設定されています。

取引額 報酬額(消費税別途)
取引額200万円以下の金額 取引額の5%以内
取引額200万円を超え400万円以下の金額 取引額の4%以内
取引額400万円を超える金額 取引額の3%以内

売買価格×3%+6万円+消費税 で計算すると便利です

仲介手数料は値切ることもできますが、普通の住宅であれば3%+6万円が一般的だと思われます。

いずれにしても媒介契約の時に、しっかりと決めておくことが大切です。

◆まとめ

という訳で今回は、相続した実家を売る手順について、ご紹介してきました。

制度が複雑なので、難しい部分は専門家の力を借りながら進めていくと、スムーズだと思います。

不明な点などはお気軽にコメントください

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