実家を相続した時にとるべき4つの手段~①売る ②賃貸する ③住む ④空き家にしておく

スポンサーリンク

両親が持ち家に住んでいた場合、実家を相続するという事態は、割と発生するものです。

相続はある日突然始まります!

今回は、実家を相続した時にとるべき、

① 売って処分する
② リフォームして賃貸する
③ 実家に引っ越して住む
④ 空き家にしておく

という4つの手段を考えていきます。

◆プロローグ~実家を相続したら…

前段階として、実家を相続した時にまずやるべきことをお話しておきます

(ⅰ)遺言の確認

相続が発生したら、つまり両親が亡くなったら、まず遺言の存在を確認します。

遺言があった場合、基本的には遺言に従って財産を分けることになります。

遺言書には、

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

などいくつかの種類があり、有効性も異なってきます。

遺言書の封は、独断で開けないようにしてください!

法律の専門知識が必要であるため、ここは専門家に相談した方が良いでしょう。

(ⅱ)相続税の有無を確認

次に相続税の有無を確認します。

相続税の基礎控除額は、

3,000万円+法定相続人の数×600万円

となります。

仮に法定相続人が3人の場合は、

3,000万円+3人×600万円=4,800万円

が基礎控除額なので、相続財産がその金額を超えるかどうかを計算するのです。

基礎控除額を超えなければ、相続税は発生しません。

(ⅲ)遺産分割協議

遺言がない場合や、相続人全員が遺言の内容に納得いかない場合は、遺産分割協議を行います。

遺産分割協議とは、誰がどの財産をどのように譲り受けるかを決めるものです。

たとえば、

長男が実家の土地・建物を引き継いで、長女と次男が預貯金を分ける

などと決める感じです。

遺産分割協議が整ったら、遺産分割協議書を作成することになります

(ⅳ)相続登記

最後に、相続登記を行います。

相続登記とは、不動産の所有者が亡くなったときに、不動産の名義を相続人に変更する手続きです。

実は、相続登記は義務ではありません

しかし、これを確実にやっておかないと、売ったり貸したりすることができなくなります。

後々、相続人の間でもめる事態を防ぐ意味でも、相続登記はしっかりとやっておきましょう。

◆実家を相続した時にとるべき4つの手段

それではここからは、相続した実家をどうするか…という4つの手段を考えていきます。

 ①売って処分する

メリットデメリット
  • まとまったお金が手に入る
  • 相続人に公平に分ける事ができる
  • 実家が他人の手にわたる
  • 所得税・住民税がかかる

実家は遠くて目が届かないから…

相続人(子供)が遠方に住んでいるなどで、実家を活用できないケースも多いと思います。

不動産は分割することが難しいので、兄弟がいる場合は、分け前でもめる原因にもなります。

厳密にいうと、不動産の区分所有という方法で権利を分割することができます。しかし、それだけでも権利関係が複雑になる上、さらに相続が起こると所有者が大人数になっていくので、よほど価値の高い不動産以外では、あまりお勧めできません。

こういう場合、一番シンプルな方法が、実家を売って処分してしまうことです。

実家を売るメリットは、何といってもまとまったお金が手に入ることです。

子供の教育費などにお金が必要な世代だったら、まとまったお金は助かりますよね。

現金であれば、兄弟で分配しやすいので、分け前でもめるリスクも排除できます。

ある意味、被相続人(両親)も、この方法を一番望んでいるかもしれませんね

(ⅰ)所得税・住民税がかかる

実家を売る場合、注意すべきポイントは税金です。

不動産を売却して利益が生じた場合、所得税・住民税がかかります。

所有期間が5年以下の短期譲渡所得…39.63%
所有期間が5年超の長期譲渡所得…20.315%

実家を相続するケースでは、被相続人(親)の取得日を引き継ぐことができるので、普通は長期譲渡所得になると思います。

税金は「利益」に対して課税されます。

両親が2,000万円で買った不動産を3,000万円で売った場合、利益は1,000万円ですね。

この場合、200万円くらいの税金がかかります

しかし、当時の契約書などを紛失していて、2,000万円で買ったことを証明できないこともありますよね?

このときは、3,000万円の5%が取得価格と見なされるので、2,850万円が利益と認定されてしまいます。

この場合、570万円くらいの税金がかかります

税金が大きく違ってくるので、注意が必要です。

2016年の税制改正によって、相続人であっても居住用財産を売却したときに3,000万円の特別控除が適用されるようになりました。

(ⅱ)すぐに売れるとは限らない

実家を売りだしたからと言って、すぐに買い手がつくとは限りません。

特に地方の場合、買い手が見つからないことの方が多いかもしれません

こんな時はまず、不動産会社を見直してみましょう

売り出しを頼んでいる不動産会社は、どんな会社ですか?

大手の不動産会社は安心できますが、どうしても都会の金額が大きい案件に目が行きがちです。

地方の実家の場合、地域の不動産会社に相談するのが良いでしょう。

地元で実績がある不動産会社が良いと思いますが、当たり外れが大きいので、複数の会社の話を聞いてみることをお勧めします。

次に、リフォームを検討しましょう

買ってもらうためには見た目も大事なので、目につく部分を中心としたリフォームも有効です。

しかし、リフォーム代金はどうしても売却価格に跳ね返ってきます。

そして買い手は、自分好みにリフォームしたいかもしれません。

リフォームして売り出すことを検討するときは、上記のことも十分考慮する必要があります。

建物を取り壊すという選択肢もあります

実家を解体し、更地として売り出した方が、買い手が見つかりやすくなるケースもあるでしょう。

この場合、まず解体費用がかかります。

解体費用の相場は、木造住宅の場合、坪当たり3~5万円と言われています。

さらに、建物を取り壊すと、土地の固定資産税の軽減措置が使えなくなるので、注意が必要です。

スポンサーリンク

 ②リフォームして賃貸する

メリットデメリット
  • 継続的に家賃収入が入る
  • 引き続き実家を所有できる
  • 手間がかかる
  • コストがかかる

思い出のある実家を手放すのは忍びないな…

実家と言えば、両親の思い出が詰まっていて、なにより相続人自身が子供のころから住んでいたケースも多いもの。

他人の手に渡るのは寂しいですよね?

あるいは、すぐには難しくても、定年退職後には地元に戻り、実家に住もうと考えている方もいるかもしれません。

こういう場合は、賃貸するという方法が考えられます。

うまく借り手が見つかれば、継続的な家賃収入が見込めます。

実家を手放すことなく、うまく行けば売却以上の収入が得られる場合もあります。

借り手を探すときは、売るときと同様、実家のエリアにある不動産会社に相談するのが良いでしょう。

(ⅰ)手間がかかる

実家を賃貸する場合、注意すべきポイントは「手間もコストもかかること」です。

物件が実家であろうが、家賃収入を得る以上、それは不動産賃貸業というビジネスです。

「高額不労所得」などという夢は捨ててしまった方が良いでしょう。

まずは借り手がいないと話にならないので、不動産会社にマメに連絡をとり、早く入居者を探してもらう必要があります。

入居者が入ったら、退去されるリスクを抑えるため、入居者の満足度を考える必要があります。

帳簿をつけて、確定申告もしなければいけませんね

(ⅱ)コストがかかる

そもそも最初に賃貸に出すときは、リフォームが必要となるでしょう

キッチン、トイレ、浴室、壁紙などで、最低でも100万円はかかると思います。

電気・水道・ガス・雨漏りなどのメンテナンスも必要です。

借り手が退居して、次の入居者を入れるときには、ハウスクリーニングが必要となります。

さらに、物件の維持管理や、毎月の入金管理(金額が合っているか、入金遅れはないか)、クレーム対応などの業務が発生します。

実家が遠方である場合は不動産会社に依頼する事になりますが、月額1~2万円の出費となります。

 ③実家に引っ越して住む

メリットデメリット
  • 引き続き実家を所有できる
  • 地元でゆっくりと生活できる
  • パートナーの賛同が得にくい
  • 相続人の間で揉めやすい

実家を相続したことをきっかけに、実家に移り住む方もいます。

会社員生活も一区切りを迎え、子供も独立する年代なので、

老後は地元で過ごしたいな…

と考えることは自然な成り行きでしょう。

自分を育ててくれた地元で、かつて慣れ親しんだ実家で、余生を過ごす…

実家に移り住むことで、人生の後半戦を飾るに相応しい舞台に上がることができるのです。

(ⅰ)パートナーの賛同が得にくい

実家に引っ越して住む場合の注意点は、パートナーの気持ちでしょうか。

独り身の方は問題ありませんが、パートナーがいる場合は、よくよく話し合う必要があります。

あなたにとっては懐かしい地元や実家の建物でも、パートナーにとってはただの見知らぬ土地であり、古びた家に過ぎないのです。

表向きは反対していなくても、内心は不安を抱えているかもしれません。

(ⅱ)相続人の間で揉めやすい

そうして実家に引っ越すことが決まったら、あとは準備ですね。

賃貸のときと同様、電気・水道・ガス・雨漏りなどのメンテナンスや、水回りのリフォームは必要となるケースもあるでしょう。

売却、賃貸ともに共通しますが、相続登記を確実に行い、名義を自分に変えることも忘れないようにしたいです。

兄弟がいる場合は、自分だけが実家を取ることになるので、揉める原因となります。

このような場合は、金銭などで「代償分割」をすると、後々スムーズになると思います。

スポンサーリンク

 ④空き家にしておく

メリットデメリット
  • 引き続き実家を所有できる
  • 維持コストがかかる
  • 価格が下落する
  • 損害賠償責任を負う
  • 特定空き家に指定されるリスク

売る、賃貸する、住む…これらのいずれにも踏み出せないケースでは、空き家にしておくことになります。

または、売却・賃貸する方針でも、買い手・借り手が見つかるまでは、やはり空き家として管理する事になるでしょう。

空き家にしておく動機は消極的なものですが、とりあえず実家を自分たちのものとできるメリットはありますね。

空き家にしておく注意点は、何点かあります。

(ⅰ)維持コストがかかる

空き家の維持コストとして代表的なものは固定資産税と都市計画税です。

固定資産税…1.4%
都市計画税…0.3%(市街化区域のみ)

土地と建物の時価合計が3,000万円であった場合、3,000万円✕1.7%=51万円が1年間に払う税金になります。

ちなみに、建物が建っている土地の課税計算上は、時価を6分の1にしてくれるので、税負担は軽くなっています。

その他のコストとしては、火災保険料や委託管理料などが考えられます。

もちろん空き家に限らず、②賃貸する場合や、③自分が住む場合にも、維持コストは必要です。ただ、空き家の場合は、家賃が入ってきたり自分が住むなどの「便益」がないため、コスト負担を感じやすくなります。

(ⅱ)価値が下落する

建物は毎年、減価償却(価値が減ること)していきます。

例えば、築20年の段階では、価値が500万円残っている建物でも、築30年になると価値がゼロになったりします。

売却する時期が10年遅くなると、500万円の現金を失うのです。

土地は建物ほどは価値が減少しません。

最近は、三大都市圏や県庁所在地などで地価の上昇が見られますが、不便な場所の地価は下落しています。

(ⅲ)所有者責任が問われる

空き家の所有者は、民法717条により、損害賠償責任が課されています。

(民法717条第1項)
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

例えば、空き家のブロック塀が倒れて誰かにケガをさせた場合、その損害は建物の使用者に請求されます。

しかし空き家には使用者がいないので、所有者に責任が回ってくるのです。

過去には、台風のため屋根瓦が飛散し、隣家の建物や車庫の外壁に当たって損傷させたケースで、所有者責任を課せられた判例があります。

台風のたびにビクビクするのは嫌ですね…

(ⅳ)特定空き家に指定される

2015年5月より「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家法)」という法律が施行されました。

この法律により実家が「特定空き家」に指定されてしまうと、

  1. 固定資産税の軽減措置がなくなる
  2. 都市計画税の軽減措置がなくなる
  3. 撤去・修繕を強制される

などのデメリットが発生します。

1.は土地の課税価値を6分の1に、2.は3分の1にまけてもらっていた特典がなくなります。

3.については、最初は助言又は指導、次は措置、次は命令とエスカレートしていき、最後は行政代執行により家を撤去されることもあります。

さらに撤去費用はしっかりと請求が来るので、ここまでされる前に手を打ちましょう。

◆まとめ

という訳で今回は、実家を相続した場合の4つの手段を見てきました。

① 売って処分する
② リフォームして賃貸する
③ 実家に引っ越して住む
④ 空き家にしておく

それぞれにメリット・デメリットがありましたね。

実家の立地条件や兄弟・配偶者の有無、他の相続財産など、色んなパターンが考えられるので、自分に一番合う手段を考えることが大切です。

ご質問がありましたら、お気軽にコメントください

コメント

タイトルとURLをコピーしました